作曲家・増本伎共子のオフィシャルホームページ

2017年3月更新しましたNEW
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私は、現代音楽の作曲家の中では、「自然体、癒やし系」ではないかと思っています。つまり、あまり世の中の趨勢(すうせい)に右顧左眄(うこさべ ん)せず、世界の流行にとらわれず、亦、いわゆる「未聴感」とかいうものにもあまり拘泥(こうでい)せず・・・かと思うと、琴線に触れれば、映画の中の バック・ミュージックだろうが、TVのコマー シャルだろうが、簡単に影響されてしまう・・といった処もあります。まあ、「無定見」と言われれば、それまでですが・・・。

私の作品は、別に「現代音楽オタク」みたいな方々のお気に召されなくとも構わない。それよりも、ごくふつうの日本のインテリなどから、「私はあまり 音楽のことは素人で判らないのですが、しかし今夜の作品は・・・」などと興奮したコメントを頂くと、とても嬉しい。だから、よく、ふつうのクラシックコン サートの中で(洋楽、邦楽とりまぜ)シューマンやバッハ、箏の組唄などにまじって演奏される作品も書いています。

私のような者のところには、よく、とんでもない組み合わせの楽器編成とか、考えたこともないような楽器との突然の出会い、などというような御依頼が 舞い込みます。そんな時、如何にもそれらの組み合わせが私がもともと意図していたものであるかのように、違和感なく仕上げるのが私の生き甲斐でもありま す。次頁に紹介してあるCD.「いろいろ、さまざま、ところどころ」も、そうした「出会い」の集積です。作品のデータは、2011年5月から新たに発足した 明治学院大学図書館附属日本近代音楽館 で管理されています。
(楽譜、音の資料、マイクロフィルムなど)

今年も夏には「戦争を思い出す季節がやって来ます。実は私は2012年に、「子供のための児童合唱オペラ『逃げていった子』」を書きました。
これは、小松左京氏が昭和39年に朝日新聞の夕刊に掲載された「童話」がもとになっており、たぶん昭和19~20年頃の空襲で死んだ少年の幽霊が、それから20年位後の「現代」の、おなじ年くらいの少年少女の前に現れる、というお話で、当時これをよんだ私は、「いつか必ずこれを子供向けのオペラにしよう」と誓ったものです。
 それから随分時日が経ち、オペラ完成時には、原作者の小松先生もお亡くなりになってしまっていましたが、2014年に、九州の「筑後児童合唱団」によって初演されました。小2~中3の少年少女の、「全力投球」の練習の成果が見事に結集したすばらしい演奏で感激しました。あまり上等でなくていい普通のエレクトーン一台による伴奏で、少年二人と少女一人とお母さん役の大人の歌い手(Sop.かMs.)と、あとは児童合唱による、20分足らずの作品です(エレクトーンを使う理由は空襲の音が出てくるため)。
 「70周年」に限らなくとも、「戦争」が風化しつつある今日この頃、つくづく「戦争って嫌だな」と思っている小松左京氏や私による「逃げていった子」を試演なさってみる有志はいらっしゃいませんか?大ホールでなくても学校の体育館でも音楽教室でも、この物語をじっくり聴いてみて、「戦争」のことを考えてみては如何でしょう?